実は「花粉」が原因で「肌荒れ」を起こしている場合があります。
一見関係なさそうに見えますが、連鎖してお肌トラブルになってしまいます。
間違った方法で解決しようとしても悪化させてしまったり、改善されず諦めてしまうことも…。
知ってしまえば対策や改善できる症状がたくさんあります。
今回はそんな花粉による肌荒れについて、原因や症状、対処法をご紹介していきます。[1]
Contents
花粉の影響
春や秋といった季節の変わり目にスギやヒノキ等の植物の花粉によってくしゃみや鼻水が出る方も多いのではないでしょうか?
他にも日常的にハウスダスト等によって、花粉症の症状が出る方もいると思います。
さらに、花粉症の症状であるくしゃみや鼻水、目の赤みや熱っぽさ等以外に、肌が乾燥するといった影響もあります。
次に、ではどのように花粉によって肌が荒れるのか、詳しく解説していきます。
花粉症のメカニズム
肌荒れが起こる前に身体の中で起こる反応について解説します。からお話します。
免疫システム
花粉症をはじめとした「アレルギー反応」のことを知るために、欠かせない要因が身体の「免疫システム」です。
この免疫システムによって、自分を構成している細胞の成分に含まれていない成分、いわゆる「異物」と自分を構成する細胞の成分を区別して、その異物を排除しようとします。
この異物を排除しようとする働き、つまり免疫システムによって寄生虫やダニと言った有害かつ外界から侵入してくる異物から身体を守っています。
しかし、現代では寄生虫やダニ等の有害な物質とは無縁の生活が送れるようになったことで、機能として備わっている免疫システムが、無害な花粉や少量のハウスダストに過剰に反応したり、上手く機能しなかったりすることで自分を傷付ける「アレルギー反応」が起こってしまいます。
このアレルギー反応が重度な場合「アナフィラキシーショック」と呼ばれる命に関わる症状になります。
アレルギー反応が起こるメカニズム
免疫システムは血液中の「白血球」が担当しています。
白血球の免疫細胞が異物の侵入の伝達や異物の成分や情報の記憶、異物に対抗するための物質である「抗体」を作る役割を果たしています。
異物である花粉やハウスダスト等のアレルギーを引き起こす物質のことをアレルゲンと言います。
そのアレルゲンが鼻等の粘膜に触れ、体内に侵入することで、白血球の一種である「リンパ球」が花粉に合う抗体「IgE(アイジーイー)抗体」を作ります。
この抗体である「IgE抗体」こそが、実はアレルギー反応を引き起こす原因です。
アレルゲンとなりやすい花粉やダニ等の異物が、何度も繰り返し身体に侵入することで、異物(アレルゲン)に対抗するためのIgE抗体が増え続けます。
血液中のリンパ球で増えたIgE抗体が毛細血管を通りそれぞれの組織へ届き、皮膚等に存在している「マスト細胞(肥満細胞)」と呼ばれる細胞と結合し、アレルゲンが侵入してこないか見張ります。
「マスト細胞(肥満細胞)」が存在する位置こそ、鼻の粘膜や目の粘膜、気管支の粘膜、腸の粘膜等で、アレルゲンがIgE抗体と結合することで、マスト細胞の中に含まれるカルシウムが出て筋繊維が縮小し、ヒスタミンや血小板活性因子(PAF)、ロイコトリエン等の化学伝達物質を放出します。
この放出によってアレルギー反応が引き起こされます。
特にヒスタミンはかゆみや気管支の収縮を引き起こす可能性があるため、目や鼻のかゆみ、鼻水やくしゃみが出ます。
アレルギー反応が起こりやすい人の特徴
花粉症をはじめとしたアレルギー反応を発症しやすい特徴で、主な原因は遺伝だと言われています。
遺伝というのは、IgE抗体を作りやすい体質だということです。
その他の原因としては、一般的に挙げられるのは食生活の変化があります。
和食が主食だった時の世代に比べ、インスタント食品やスナック菓子が増えた今、添加物といった物質を多く取り入れている世代の人の方が、アレルギー反応の症状が現れています。
次に不規則な生活習慣も発症しやすい原因です。
睡眠不足による身体へのストレスや対人関係でのストレスによって、免疫システムが上手く機能しなくなり、今までなかったアレルギー反応が引き起こされます。
また、身の回りに花粉の飛散が多い地域に住んでいる方、排気ガスが多く漂っている地域に住んでいる方も発症しやすいと言われています。
以前問題に挙がった「PM2.5」によって花粉症の症状が現れた方も多いのではないでしょうか?
これらは遺伝とは関係なく、単純にアレルゲンへの接触回数が多くなるため、必然的にIgE抗体を作る機会が増えることで引き起こされます。
花粉症の種類
アレルギー反応の中で、花粉によって引き起こされるアレルギー疾患のことを花粉症と呼びますが、実は2種類の反応があります。
即時相(そくじそう)反応
花粉が目の粘膜に触れた時、早い段階で目のかゆみや充血、涙の症状が引き起こされます。
また、鼻の粘膜に花粉が触れると、比較的すぐにくしゃみや鼻水が起こり、鼻の粘膜が赤く腫れるため、初めて花粉症になった時は検査をしなければ風邪と間違えてしまいます。
鼻や口から侵入した花粉がのどの粘膜に触れた場合だと、のどのかゆみや咳を引き起こしたり、その他にも頭痛やだるさ、微熱と言った症状が現れる場合もあります。
遅発相(ちはつそう)反応
早い段階で症状が現れる即時相反応に比べ、こちらはすぐ反応するのではなく、花粉を浴び続け体内の花粉が一定量以上になると、慢性的な鼻詰まりが引き起こされます。
花粉皮膚炎
これまで花粉症のメカニズムや花粉症の種類についてお伝えしました。
その中で、くしゃみや鼻水の症状以外の、花粉が原因で起こる肌荒れを「花粉皮膚炎」と言います。
女性に多い
花粉症と言えば男性、女性関係なく発症するイメージかと思います。
ですが、花粉皮膚炎は女性の方が発症する人数が多いです。
現代の医学ではなぜ女性の方が多いのか?という問いには明確な答えがありません。
ただ、「女性の方が皮膚のかゆみを感じやすいこと」と、「鼻や目の花粉症の症状が強い女性ほど皮膚のかゆみも感じやすいこと」、「化粧等によって肌への刺激を長時間与え続けること」、「男性に比べて女性の方が皮膚が薄いこと」によって、多いのではないか?と推測されています。
花粉皮膚炎の症状
花粉症の時期になると、目の周り(まぶた)や頬、首、洋服やアクセサリーが擦れやすい部分に発生する特徴があります。
具体的な症状だと「肌にかゆみが生じる」、「肌にブツブツとした湿疹が現れる」、「まぶたや目の周りが赤くなる」です。
目の周りや頬等の部分が赤く腫れ、ピリピリ、ヒリヒリする場合もあります。
かゆみが強く赤くなったところが盛り上がって、蕁麻疹の様な周りの皮膚との境界がはっきりした発疹が出来てしまいます。
ただ、赤みやかゆみの症状が出ても、水ぶくれはあまり出来ないという特徴もあります。
さらにお化粧のノリが悪くなり、いつもは問題ないお化粧品が少ししみる様になることがあります。
アトピー性皮膚炎の症状がある方は、花粉皮膚炎の症状が重症化しやすいので特に注意が必要です。
花粉皮膚炎の原因
主な原因は「皮膚のバリア機能の低下」です。
ただし、厳密に言えば「花粉によってバリア機能が低下する」のではなく、「バリア機能が低下した肌に花粉が付着することで皮膚炎になる」ことが原因です。
つまり、バリア機能が整っていれば、まず肌トラブルは起こりません。
バリア機能が低下した皮膚にはわずかな花粉ですら刺激となり、皮膚にも備わっている免疫システムが働き、よりアレルギー反応が生じやすくなります。
特に2月~4月はスギを中心にたくさんの花粉が空気中に漂い、空気も乾燥しているため、花粉皮膚炎が発症しやすいです。
日本には花粉症の原因物質となる植物は60種類以上あるため、どの季節であっても発症する可能性があり、事前にパッチテストを行うことで防げる場合もあります。
花粉皮膚炎の予防
しっかり工夫することで花粉による肌荒れを予防することは可能です。
その予防方法は大きく分けて2つあります。
花粉から肌を守る
顔や首の肌に花粉がなるべく付着しないようにすることが大切です。
外出する時はマスクやメガネ、首元が隠れる服、つばの広い帽子と言ったアイテムを活用することで、肌へ付着する花粉を大幅に減少させることができ出来ます。
ただ、どれだけ付かないように気を付けて肌を覆っていても、風によって衣服や肌に付着してしまいます。
衣類に付いてしまうのは仕方がないとはいえ、毛繊維のセーターやコートの様な花粉を絡めてしまう服は避け、ツルツルとしたナイロン素材の衣類を着用することで家へ持ち帰ってしまったり、肌への付着をかなり防ぐことが可能です。
玄関を開ける前に少しだけ衣類の表面をはたく様にするだけでも効果的ですし、コート類はなるべく玄関付近に収納するのも効果的です。
また、帰宅後すぐに手洗いうがい、可能であれば洗顔も効果的です。
軽く水を含ませた櫛で髪を梳かすことで、部屋へ持ち込む花粉の量を大幅に減らすことが可能です。
スキンケアでバリア機能を保つ
花粉症の症状が引き起こされたとしても、バリア機能がしっかりと働いていると花粉皮膚炎は起きないため、常日頃から「肌の保湿」と「刺激を与えない」ことを心がけましょう。
洗顔後や入浴後の保湿ケアや、美容サプリメントによってコラーゲン等の成分をお肌に与えてあげます。
控えた方が良い行動としては、熱いお湯でゴシゴシと洗顔をしたり、洗顔後からお化粧品を塗るまでの時間がとても長く空いてしまうことです。
冬であったとしても、しっかりと日焼け止めやファンデーションを使用するのもおススメです。
花粉をお肌に直接当てない効果もありますし、保湿効果も期待できます。
ただし、塗りすぎには注意しましょう。
花粉皮膚炎への対処法
これから花粉皮膚炎にならないための予防は、先にお伝えした通りですが、現在すでにかゆみや炎症がある場合は、冷水で濡らしたタオル等でかゆい部分を冷やしましょう。
この時、かゆいからと言ってゴシゴシと擦らずにギュッと抑え込み、かゆみが収まったらお化粧品でしっかり保湿してください。
最後に
今回は花粉症と肌荒れの関係性についてお伝えしました。
遺伝的なものであったりと、アレルギーをコントロールすることは難しいので、花粉をなるべく部屋に持ち込まないように、直接お肌に触れないように気を付けつつ、しっかりと保湿でお肌のバリア機能を整えてあげましょう。
当サロンでは高保湿力のフェイスパックを行うので、セルフケアでの保湿に自信がない方はぜひ一度足を運んでみてください。
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