「小顔効果があるツボ」「眼精疲労に効果があるツボ」などよく耳にするのではないでしょうか。
直接お顔に関係あるツボもあれば、体の内側の機能を高めることで、お肌が美しくなる、という効果があるツボも存在しています。
今回はそんなお顔に存在するツボの場所と効果を細かく、簡潔にお伝えします。
Contents
ツボとは?
そもそも「ツボ」がどういうものかご存知ですか?
ツボとは、別名「反射区(はんしゃく)」や「経穴(けいけつ)」とも呼ばれ、「全身に張り巡らされた神経が重なり合う反応点」のことを指します。
身近な施設でツボ刺激を受けられる場所だと「リフレクソロジー(足ツボ)」があるので、受けたことがある方もいると思います。
ただ、ツボの定義には厳密に言えば「東洋医学」と「西洋医学」の2種類あり、それぞれ特徴と考え方が違います。
ツボへの効果は重なることが多いですが、まずは違いから説明していきます。
東洋医学的観点のツボ
元々ツボは東洋医学発祥の技術で、原始時代から人々の間で広がりました。
古代中国で、「○○のツボを刺激すれば▲▲の効果がある」と、次第に場所が固定・特定され、現代では1つの医学としてメジャーになりました。
東洋ではツボの反応点を「経穴」と言い、気が流れている経穴を繋ぐようにある通り道を「経路(けいらく)」と言います。
経穴を刺激することで経絡の流れが良くなり、内臓の働きが良くなる、そして内臓の働きが良くなるから人間本来に備わっている「自然治癒力」が高まり、症状が緩和へと繋がります。
トリートメントの特徴は 、指の先端でツボの一点を押し込むことなので、かなりピンポイントで刺激が伝わります。
よく芸人さんが受ける「痛みが強いツボ施術」は東洋のものが多いです。
西洋医学的観点のツボ
東洋のツボの考え方と異なり、西洋では「痛みの発生源」別名「トリガーポイント」という考え方です。
具体的には気の流れではなく、神経や血管などが密集している点、つまり注射針を刺した時に最も効果が高い「治療ポイント」をツボと呼んでいます。
例えば、神経や血管を刺激して痛みを抑えたり、筋肉の緊張を和らげて痛みを抑える、という目的で行われます。
トリートメントの特徴は[YS3] 、ツボのポイントを点と捉えず「面」で捉えるので、指の腹全体で圧迫するように刺激をします。
そのため、東洋に比べると痛みが少ないです。
顔のツボ、刺激の仕方
まず、ツボの場所をお伝えする前に、東洋式と西洋式の違いを、刺激の仕方で大切なことを含めてお伝えします。
上記の考え方や捉え方の違いを意識して、お好みの方法で刺激してみてください。
東洋式
- 痛気持ちいいくらいの力で刺激する
- 力の方向は顔の内側、中心に向かって押す
- ゆっくり押してゆっくり放す
- なるべく刺激したいツボだけを5秒間くらい刺激する
西洋式
- 痛気持ちいいくらいの力で刺激する
- 力を入れる時は顔の中心ではなく頭皮に向かって押し流す
- オイルやクリームを使用して顔の外側に流す様に行う
- 全体的に血液やリンパ液を流すイメージ
冒頭でお話したように「直接顔に影響を与えるツボ」と「体の内側の機能を高めるツボ」があり、それぞれ分けてお伝えします。
直接顔に影響を与えるツボ
なるべくゆっくり、5~8秒間押す、を3回程度、目安に行ってみてください。
痛みが少し和らいだら効果があった、ということなので、やり過ぎない程度に行いましょう。
頷厭(がんえん)
場所:髪の生え際沿いにある、口を開け閉めしたら動くところ
効果:頭痛・めまい・耳鳴りの改善、眼精疲労の改善
太陽(たいよう)
場所:眉尻と目尻の中央から少し後ろにあるくぼみ(骨がないところ)
効果:顔全体の血行促進、特に目の周囲の血流改善、目のクマ改善
晴明(せいめい)
場所:目頭と鼻の骨の間にあるくぼみ
効果:眼精疲労の改善、ドライアイの改善、視力低下の改善
迎香(げいこう)
場所:小鼻の両脇にある少し凹んでいるところ
効果:鼻炎の改善、たるみ改善、老廃物の排泄を促す
顴りょう(かんりょう)
場所:目尻から下に頬骨を辿り、頬骨の一番下の出っ張った骨のすぐ下のくぼみ
効果:頬の血行促進、肌のハリ改善、老廃物の排泄を促す
人中(じんちゅう)
場所:鼻と上唇の中央
効果:ニキビや吹き出物の改善、小顔効果
散笑(さんしょう)
場所:ほうれい線上で頬骨と隣接しているところ
効果:顔のむくみ解消、顔全体のむくみ改善、ほうれい線の改善
地倉(ちそう)
場所:口角の横、ほうれい線が交わるところ
効果:ほうれい線の改善、肌のハリ改善、食欲を抑える効果
体の内側の機能を高めるツボ
顔のツボではありますが、直接作用するツボと違い、内側つまり内臓の機能を高めるツボは、全体的に広い範囲で捉えて行うと効果があります。
そのため、ツボを刺激する時は西洋式にすると良いのと、表現のしやすさから反射区(面)と捉えお伝えしていきます。
おでこ
水をあまり飲まない方はおでこにニキビや吹き出物が出来やすい
眉間
眉間を中心におでこから眉沿いは、解毒機能を担っている肝臓の反射区
おでこ同様水をあまり飲まない方はザラザラしやすい
目の周り(特に目の下)
腎臓の反射区
体の状態が一番現れやすい部位で、血流の良し悪しで特にクマとして現れやすい
こめかみ
胆のうの反射区
動物性の脂肪を摂り過ぎると、胆のうに負荷がかかる
シミや色ムラとしてトラブルが現れる
頬
呼吸器系の肺などの反射区
その他にも顔や体全体の血流にも関りがある
喫煙や白砂糖の摂り過ぎで負荷がかかり、ザラザラした肌触りになる場合がある
唇の周り
胃をはじめとした消化器系の反射区
消化不良を起こしていたり、脂ものをたくさん食べる方は口周りにニキビや吹き出物が出来る
口内炎としてトラブルが起こることもある
あご
生殖器官の反射区
生理不順や更年期症状を改善、緩和する
ホルモンバランスが乱れている場合もあご周りにトラブルが起こる
自宅で行うポイント
行う時の仕方(刺激の仕方)以外の、自宅で行う際のポイントをお伝えします。
洗顔後などの化粧水や乳液のタイミングで行う時にも、参考になるポイントがあるのでぜひ最後まで読んでご自身で試してみてください。
1.回数や力加減
何事もやり過ぎは良くないということで、1日に何十回と行ったり、 痛いから効くのだと思って力を強くし過ぎたり、過剰にしてしまうのは止めましょう。
刺激を与えすぎてしまうことで、赤みが出たり、ニキビや吹き出物、皮膚のたるみの原因になってしまう可能性があります。
2.行う前の水分補給
ツボ刺激だけに限らず、何かしらのトリートメントを受ける時の注意点ですが、施術を受ける前と後にコップ1杯程度の水分補給を行ってください。
血流を良くし老廃物を流すために、血液自体がサラサラである方が良いからです。
特にツボ刺激だと、膀胱・腎臓・肝臓といった、活動に水分が密接に関わっている器官を刺激するので、水分補給が欠かせません。
3.刺激後の鎮静
しっかりとツボ刺激を行った後は、熱を持ったままだと二次被害の可能性があるので、どんな方法であっても必ずお肌を鎮静させましょう。
一番手軽に行えるのは、フェイスマスクをしてあげることです。
また、お肌を落ち着かせてあげることで、引き締め効果もあります。
4.化粧品の選び方
洗顔後の化粧水や乳液の時に行う場合、お肌の吸収によって乾燥と戦いながら行うことになると思います。
たっぷり付けて行えるなら問題ないですが、湯水のようにお化粧品を使う方は少ないです。
となれば、別でお化粧品を用意する訳ですが、この時自分の肌質にもよりますがなるべくオイルは避けてください。
化粧水や乳液を塗った後ならまだ良いのですが、鎮静を行うことを考えると、順番を間違えると新たなお肌トラブルを発生させてしまうことがあります。
トリートメント用のクリーム、なければたくさん使えるジェルがおススメです。
おススメのツボ刺激方法
刺激する方法(東洋の違い)、自宅で行うポイント、ツボや反射区がある場所をお伝えしたので、全て踏まえた上で、おススメの刺激方法です。
ただ、東洋式で刺激をする場合は、爪がお肌を傷つけないようにすることと、押しているままで皮膚の上で指をスライドさせて摩擦を生まないようにすることを心がければ大丈夫です。
西洋式、つまり「流す」ことが目的の刺激方法が、イメージしにくいと思うのでお伝えします。
おでこ
どちらかの手の指3本でおでこを包む様において、左端から右端までをスライドさせます。
スライドさせた位置から元に戻るので、要は指3本の腹で往復15回を目安に刺激します。
眉間
両方の中指の腹を使って、交互に眉間をおでこの方に向かって引き上げます。
スタートの位置は目頭の高さからおでこの半分くらいまでを交互に20回を目安に行います。
目の周り
まぶたは下に眼球があるので、眉の骨に向かってのみ少し力を入れても大丈夫です。
こちらも中指で目頭側から骨を触るように目尻に流して、圧を少し強めてこめかみを通って生え際に抜けるまでを15回程度行います。
次に目の下をこちらも骨に沿って中指で、まぶたより少しだけ強めの圧で、目頭から目尻に向かいこめかみを通って生え際へ抜けるまでを15回程度行います。
この時、なるべく抜ける角度は上向きで抜けましょう。
こめかみ
こちらも中指の腹で頬骨の高いところと同じ高さから、こめかみだけをまっすぐ上に15回程度押し上げます。
上げる時だけ力を入れて、戻る時は指を離すか触れるだけの弱さでスタートの位置に戻ってください。
頬
親指を除く4指で、小鼻の横に小指もしくは薬指が当たる位置からスタートします。
まっすぐ横へ耳の方へスライドさせるのが15回と、あごあたりにある母指球が耳中央の高さまで上がってくるラインでの引き上げ15回の合計30回を目安に流してください。
唇の周り
しやすい方の手の人差し指と中指で唇を上下で挟んで、おでこと同じ様に横に往復20回を目安にスライドさせます。
この時少し口角を上げると行いやすいです。
あご
人差し指を曲げた状態で側面をあごにあてて、あごの裏に親指をあて、挟む様にフェイスラインの方へ流します。
左右交互に流す時、右手で左の口角下の位置から、左手で右の口角下の位置から、長いラインで20回程度流します。
最後に
ツボの技術は奥が深く、また自分で行うとなるとハードルを高く感じるのではないでしょうか?
メジャーと言っても一点だけを押すツボ刺激に比べると、内臓まで効果がありつつ美肌になれる反射区はあまり知られていません。
ですが効果があるのは確かなので 、ぜひご自身で挑戦してみたり、フェイシャルに特化したエステサロンにてツボ刺激のトリートメントを受けてみてください。
内臓の機能を整えて、美肌を手に入れましょう。