紫外線から肌を守り、美しい肌を保つためには、紫外線対策が欠かせません。
日焼けはシミや肌荒れの原因になるだけでなく、たるみやシワといった深刻なお肌の老化を引き起こします。
将来の肌トラブルを防ぐためにも積極的なケアが必要です。
まずは紫外線について基礎知識を学びましょう。
この記事では紫外線に関する基礎知識と、正しいケア方法、とくに正しい日焼け止めの選び方・塗り方を説明します。
Contents
紫外線とは?
紫外線は、太陽から放射される電磁波の一種で、主にUV-A(長波長紫外線)とUV-B(短波長紫外線)の2つが皮膚に影響を与えます。
UV-Aは肌の奥深くまで届き、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を保つたんぱく質を破壊し、シミやシワの原因となります。
一方、UV-Bは肌表面にダメージを与え、DNAを直接傷つけることで、日焼けや紫外線による炎症を引き起こし、ひどい時は水ぶくれやサンバーンを起こします。
また、長期的にUV-Bを浴びることで皮膚がんのリスクを高めます。
紫外線は肌の老化を早めるだけでなく、長期的な被曝は皮膚がんの原因にもなるため、適切な対策が必要です。
季節・時間によって変わる紫外線量
気象庁のデータによると、紫外線量は1年を通して7月~8月が最も多く、1月・2月頃に最も少ないです。
意外なことに4月末~5月上旬のゴールデンウイーク頃には9月上旬と同じくらいの紫外線量があるということです。
参照:気象庁| 日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ
また、時間帯別に見てみると11時~13時頃が紫外線のピークであることが分かります。
14時より10時のほうが紫外線量は多くなっています。
参照:気象庁| 時別UVインデックス(観測値)の毎日の推移グラフ
紫外線がお肌に与える影響
ではこのような紫外線がお肌にどのような影響を及ぼすのか、見ていきましょう。
お肌への影響のあらわれ方はUV-AかUV-Bかで変わります。
UV-Aのお肌への影響
UV-Aは肌の奥深くまで届くため、シミやシワといった「光老化」の原因となります。
UV-Aは長波長紫外線で、肌の奥深くまで浸透します。
この紫外線は、肌の真皮にあるコラーゲンやエラスチンといった線維を破壊し、肌の弾力性を失わせると言われています。
さらに、メラニン色素の生成を促進し、シミや肌の色ムラを引き起こします。
UV-Aは表面的には影響が見えづらいため、肌に影響が及んでいることに気付きにくい場合がありますが、長期的な影響は肌の老化やシミの形成につながります。
UV-Bのお肌への影響
UV-Bは肌の表面にダメージを与え、日焼けや皮膚がんの原因となります。
UV-Bは短波長紫外線で、主に肌の表面に影響を及ぼします。
この紫外線は、細胞のDNAに直接損傷を与え、細胞の異常増殖を引き起こします。
その結果、日焼けや赤み、さらには皮膚がんのリスクが高まります。
また、UV-Bは皮膚の表面に作用するため、肌の表面にダメージを与え、肌の老化を早める要因となります。
光老化とは?
お肌の老化は、年齢があがることに伴う「自然老化」と、紫外線などによる「光老化」の両方の影響によりおこりますが、お肌の老化の原因の80%は光老化とも言われています。
光老化は、紫外線によって引き起こされる肌の老化現象を指します。
主にUV-AとUV-Bの紫外線が関与し、肌のコラーゲンやエラスチンといった線維の破壊、メラニン色素の生成促進、皮膚の修復機能の低下などが起こります。
結果として、シミやシワ、たるみ、肌のくすみ、毛穴の開きなどが現れ、肌の老化が進行します。
日焼けの種類
日焼けには、サンバーン(sunburn)とサンタン(suntan)の2つの主な種類があります。
サンバーンは、肌が紫外線(UV-B)によって急速に赤くなり、痛みや腫れを伴う状態です。
水ぶくれや皮むけが起こることもあります。
これは肌が炎症を起こしている状態であり、長時間紫外線にさらされた結果として起こります。
サンバーンは肌へのダメージが大きく、皮膚がんのリスクを高める可能性があるため、注意が必要です。
一方、サンタンは、肌が日焼けによって徐々に褐色になる状態を指します。
これは、肌がUV-Aに対する防御反応として、メラニン色素を生成することで起こります。
サンバーンによる短期的な症状が治まる頃や、日焼けから数日経った頃から表れ始めます。
紫外線から肌を守る方法
このように紫外線を過度に浴びることで起こるお肌への深刻なダメージがお分かりいただけたかと思います。
できるだけ紫外線の悪影響を受けないよう、適切な方法でお肌を守りましょう。
日焼け止めを塗る
日焼け止めを塗ることは、紫外線対策においてもっとも有効な方法です。
適切なSPF(Sun Protection Factor)の日焼け止めを選び、こまめに塗り直すことが大切です。
日焼け止めの選び方
日焼け止めを選ぶ際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
まず、SPF(Sun Protection Factor)とPA(Protection Grade of UVA)の表示を確認しましょう。
SPFはUV-Bから肌をどれだけ保護できるかを示し、PAはUV-Aから肌をどれだけ保護できるかを示します。
肌の質や日頃どのような活動をするかに合わせて適切なSPFとPAを選びましょう。
たとえば外でスポーツをする方、長時間外にいることが多い方はSPFやPAの値が高いものを、屋内にいることが多い方はSPFやPAの値はそれほど高くなくても良いでしょう。
日本皮膚科学会が示す日焼け止めの数値の目安を参考にしてみてください。
次に、肌に合ったタイプを選ぶことも重要です。敏感肌用や水や汗に強いものなど、自分の肌に合ったものを選ぶことで快適に使用できます。
さらに、成分をチェックし、肌に合わない成分が含まれていないかを確認しましょう。
最後に、日焼け止めの質感や香りも重要です。
自分が使いやすいテクスチャーや香りのものを選ぶ、メイクの仕上がりに合わせるなどすると、快適に過ごせます。
ニキビになりやすいお肌の方は「ノンコメドジェニック」と書いてあるものを選ぶと、ニキビになりにくくなります。
日焼け止めの塗り方
日焼け止めの塗り方ですが、顔全体だと「真珠の玉2個分」が目安です。
いちどに塗り切れない場合は数度に分けて重ねて塗ると良いでしょう。
塗り足りないと日焼けをしてしまう恐れがあります。
また、汗や水の影響を受けたり、顔に触って取れてしまったりすることもありますので、3時間に1回くらい塗り替えるのが理想的です。
UVカットの日傘を使う
UVカットの日傘を使うことで、日光を遮断し紫外線から肌を守ることができます。
日傘のいいところは顔だけでなく、肩や首なども守ることができることです。
ただし、地面からの反射でも日焼けはしてしまうので、日傘を使っても日焼け止めは必ず使いましょう。
サングラスを使う
サングラスは、目やまぶたを紫外線から保護するために重要な役割を果たします。
UVカット率の高いサングラスを選ぶことで、紫外線を99%以上カットすることができます。
特にUV-AとUV-Bの両方をカットする効果があるものを選ぶと良いでしょう。
サングラスを使用することで、目の周りの皮膚も紫外線から保護することができ、日焼けやシワを防ぐことが可能です。
また目に紫外線を受けることで、脳から「紫外線を浴びているからメラニン色素を作って肌を守ろう」という指令が出され、肌が日焼け状態を起こすということも言われています。
皮膚に日焼け止めを使うように、目にもサングラスをかけて保護しましょう。
帽子を被る
帽子を被ることは、紫外線から顔や頭皮・頭髪を保護する効果があります。
とくにつばの広い帽子を選ぶと、顔全体や首筋など広い範囲を紫外線から遮断することができます。
帽子を被ることで、日焼けやシミ、シワの予防だけでなく、頭皮や髪の毛の保護も期待できます。
頭皮は顔以上に紫外線の影響を受けやすい部位の1つであり、帽子を被ることで日焼けやかぶれを防ぐことができます。
最近ではUVカット素材の帽子も多く売られていますので、それらを選ぶと良いでしょう。
外出の時間帯を選ぶ
早朝や夕方以降は比較的紫外線量が少なくなります。
長時間の外出や外でのスポーツは昼間ではなく紫外線量の少ない時間帯に行う工夫が大切です。
正しく紫外線対策してすこやかな肌を手にいれましょう
紫外線による影響や紫外線対策法についてお分かりいただけたでしょうか。
紫外線は皮膚にダメージを与え、日焼けを起こすだけでなく光老化を招いてシミやシワ、たるみなどの老化現象を引き起こします。
しかし紫外線は日焼け止めや日傘・帽子・サングラスなどの正しい着用で確実に防ぐことができます。
これらのグッズを上手に活用してすこやかなお肌を手に入れましょう。